遠野ジンギスカン

遠野ジンギスカン（とおのじんぎすかん）とは

岩手県遠野市の名物「遠野ジンギスカン」は、羊肉を使った郷土料理として知られ、観光客や地元の人々に愛されています。戦後の昭和22年、旧満州から帰還した安部梅吉氏が羊肉料理の魅力を伝えたことがきっかけとなり、遠野独自のジンギスカン文化が生まれました。遠野では羊は主に羊毛採取のために飼育されていましたが、徐々に食文化として根付き、今では「遠野式ジンギスカン」として全国的に有名になっています。

遠野ジンギスカン最大の特徴は、「後づけ」スタイルのタレです。一般的なジンギスカンは肉をタレに漬け込んでから焼く「漬け込み式」ですが、遠野では焼いた後に特製のタレをつけて食べるのが主流。この手法により、肉本来の旨味を存分に味わうことができます。

タレは醤油ベースにニンニクやショウガを加えた特製ダレで、焼きたての羊肉との相性が抜群。さらに、ジンギスカン鍋の中央で焼かれた肉汁が、鍋の周囲に配置した野菜に染み込むことで、一層深みのある味わいに仕上がります。

遠野市内では「じんぎすかんあんべ」や「じんぎすかんハウス遠野食肉センター」などの専門店で、本格的なジンギスカンを楽しむことができます。また、屋外で食べる際は、ブリキのバケツにジンギスカン鍋を乗せて調理する「バケツジンギスカン」というユニークなスタイルも人気です。

羊肉は高タンパクで低脂肪。鉄分やビタミンB群が豊富に含まれており、貧血予防やダイエットにも適しています。また、L-カルニチンを多く含むため、脂肪燃焼効果が期待できる食材としても注目されています。

ジンギスカンと相性が良いのは、地元遠野産の辛口日本酒。すっきりとした飲み口が、羊肉のコクを引き立て、後味を爽やかにしてくれます。

遠野は、日本の原風景が広がる美しい里山の街。豊かな自然の中で、家族や友人とともにジンギスカン鍋を囲む時間は、まさに至福のひとときです。川のせせらぎを聞きながら、星空の下で楽しむバケツジンギスカンは、旅の思い出にもぴったり。

ぜひ、遠野を訪れた際には、この土地ならではの「遠野ジンギスカン」を味わってみてください！

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