馬肉蕎麦
熊本県阿蘇の恵みを堪能、深い味わいの馬肉蕎麦馬肉蕎麦(ばにくそば)とは
馬肉蕎麦は、熊本県を代表する郷土料理のひとつで、特に阿蘇地域で親しまれています。熊本県は全国でも馬肉の生産量が1位(農林水産省令和元年畜産物流通統計)であり、その独特な食文化が反映された一品です。「桜肉」や「蹴とばし」とも称される馬肉は、タンパク質やビタミン類が豊富で、脂肪分が少ないヘルシーな食材です。 馬肉が熊本で根付いた背景には、戦国時代の歴史が関わっています。肥後藩主・加藤清正が朝鮮出兵の際、食料不足で軍馬を食べた経験から、帰国後もその美味しさを評価し、馬肉文化を広めたとされています。江戸時代には肉食が制限されていたものの、馬肉は栄養価の高さから薬膳として重宝され、戦後の食糧難時代には軍馬の肉が食卓を支えました。昭和30年代になると、一般家庭や飲食店でも馬肉料理が普及し、現在ではスーパーで手軽に購入できるポピュラーな食材となっています。 馬肉蕎麦に使用されるのは、馬刺しを加工した際に余るこま切れ肉を、醤油、砂糖、生姜で甘じょっぱく煮込んだ「しぐれ煮」です。このしぐれ煮は、ほろほろと柔らかい食感と濃厚な旨味が特徴で、ごはんのお供や酒のつまみとしても愛されています。温かいそばやうどんの具材としてしぐれ煮をのせることで、出汁の風味と馬肉の味わいが絶妙に調和し、食べる人を魅了します。 熊本では、馬肉蕎麦は一年を通して味わえる家庭的な料理で、地域のそば店やうどん店で提供されています。その味わい深い一杯には、熊本の自然の恵みと、馬肉文化を育んできた歴史が詰まっています。観光客だけでなく地元の人々にも愛され続けるこの料理は、熊本ならではの食体験として欠かせない存在です。
馬肉蕎麦(ばにくそば)のレシピ(材料(2人分))
■材料
- 馬肉の小間切れ200g
- そば2玉
- しょうが1/2片
- だし汁3カップ
- 醤油大さじ2
- ねぎ10g
- 【調味料A】濃口醤油大さじ2
- 【調味料A】砂糖大さじ1/2
- 【調味料A】酒大さじ2
- 【調味料A】赤酒(みりん)大さじ2
■作り方
- 1 馬肉は1度ゆでて、アクをとり、ざるにあげます。
- 2 鍋に1の馬肉、すりおろしたしょうが、調味料Aを入れ、かぶるくらいの水を加えて中火にかけます。煮立ったら弱火にし、馬肉が柔らかくなるまで煮込みます。(途中で水分がなくなってきたら、水を足します)
- 3 ねぎは小口切りにします。
- 4 そばは、好みの硬さにゆでます。
- 5 だし汁は煮立てて、醤油を加え、好みの味に調整します。
- 6 だし汁にそばを入れ、再沸騰したら、どんぶりに分けて盛り、馬肉とねぎをのせてできあがりです。肉汁も出てくるので、汁の塩分は少し控えめにします。
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