孟宗汁
春の訪れを告げる、庄内の味覚「孟宗汁」—旬のたけのこの旨みを堪能
孟宗汁(もうそうじる)とは
山形県庄内地域の春を彩る郷土料理「孟宗汁(もうそうじる)」は、孟宗竹のたけのこを主役とした味噌仕立ての汁物です。孟宗竹は、1736年に中国から薩摩藩へ伝わり、その後全国へ広まりました。庄内地方には、修験者が北前船で京都から持ち帰り、寺社に植えたのが始まりとされています。 特に鶴岡市の湯田川温泉周辺で採れる「湯田川孟宗」は、色白で柔らかく甘みがあり、高い評価を受けています。この地域の粘土質の赤土が、良質なたけのこの生育を支えています。 孟宗汁の基本的な具材は、新鮮なたけのこ、厚揚げ(庄内では「油揚げ」と呼ぶ)、しいたけ、豚肉などで、味噌と酒粕で風味豊かに仕上げます。新鮮な孟宗はえぐみが少なく、アク抜き不要で、その風味を存分に楽しめます。 栄養面では、たけのこは低カロリーで食物繊維が豊富。豚肉は良質なたんぱく質を含み、しいたけはビタミンDを多く含むため、健康的な一品です。 この料理には、すっきりとした辛口の日本酒がよく合い、たけのこの甘みと酒粕のコクを引き立てます。 湯田川温泉では、毎年4月下旬から6月初旬にかけて「孟宗まつり」が開催され、各旅館自慢の孟宗料理を楽しむことができます。また、5月の「酒田まつり」や「鶴岡天神まつり」でも孟宗汁が振る舞われ、春の訪れを祝う風物詩となっています。 春の庄内を訪れた際には、旬の味覚「孟宗汁」をぜひご賞味ください。
孟宗汁の美味しい作り方
孟宗汁(もうそうじる)のレシピ(材料(お鍋1つ分))
■材料
- 孟宗筍約1.5kg
- 厚揚げ1枚
- しいたけ6枚
- 酒粕140g
- 味噌150g
- 黒砂糖小さじ1(お好みで)
- 水2000cc
■作り方
- 1 孟宗筍は皮を剥いて水洗いします。下のかたい部分は1cmの厚さに切り、上の柔らかい部分は3~5cmの乱切りにします。
- 2 厚揚げは油抜きをして、2cm角の斜め切りにし、しいたけは適当な大きさに切ります。
- 3 酒粕と味噌は少量の水を加えてのばしておきます。
- 4 孟宗筍をひたひた程度の水に入れ、黒砂糖を振って煮ます。
- 5 十分に煮立ってから、油揚げ、しいたけを入れ、孟宗筍に火を通します。
- 6 3でのばしておいた酒粕、味噌を入れ、弱火でひと煮立ちしたらできあがりです。
その他情報
- 名称孟宗汁
- 読み方もうそうじる
- 都道府県 山形県
- 料理カテゴリ 郷土料理・ご当地グルメ