蒜山おこわ
蒜山の恵みを一膳に凝縮—豊かな風味が織り成す五目おこわ蒜山おこわ(ひるぜんおこわ)とは
岡山県真庭市北部、蒜山(ひるぜん)地方の郷土料理『蒜山おこわ』は、祭りや祝い事に欠かせない一品です。昭和30年代、地元の素材を活用して五目おこわを作ろうという声から誕生しました。その起源は、大山おこわに由来し、赤飯を炊く際に誤ってちらし寿司の具材を入れてしまったことが始まりとされています。 蒜山おこわは、もち米に鶏肉、栗、ごぼう、にんじん、こんにゃく、小豆、そして蒜山周辺で採れる四季折々の山菜を加えた豪華な内容が特徴です。これらの具材は、醤油やみりんで味付けされ、もち米とともに蒸し上げられます。鶏肉は良質なタンパク質を提供し、栗や小豆は食物繊維やビタミンB群を含み、栄養バランスにも優れています。 このおこわは、田植え後の「シロミテ」の行事や、お祭り、祝いの席で振る舞われ、地域の人々に親しまれています。また、地元のイベントや飲食店でも提供され、蒜山の食文化を象徴する料理として受け継がれています。 蒜山おこわは、主食としてはもちろん、酒の肴としても楽しめます。特に、岡山県の地酒である「御前酒」や「大典白菊」などの純米酒との相性が良く、もち米の甘みと具材の旨味が日本酒の風味を引き立てます。 一口頬張れば、蒜山の豊かな自然と歴史が感じられる「蒜山おこわ」。その深い味わいは、地域の伝統と人々の温かさを物語っています。
蒜山おこわ(ひるぜんおこわ)のレシピ(材料(4人分))
■材料
- もち米4合
- 麦0.5合
- とり肉80g
- にんじん80g
- 栗(皮付き)300g
- さやいんげん40g
- 油大さじ1(12g)
- ごぼう80g
- ふき80g
- 干ししいたけ1g
- 【A】油揚げ 1枚(30g)、水 1/1カップ、みりん 小さじ2
- 【B】砂糖 大さじ1、しょうゆ 大さじ1、1/3、塩 6g 塩 小さじ1
■作り方
- 1 栗は皮と渋皮を取り、1日天日にあてます。
- 2 もち米は洗って、一昼夜水に浸しておきます。
- 3 麦は30分程度水に浸しておきます。
- 4 干ししいたけは水でもどしておきます。
- 5 とり肉は小さく切り、ごぼうはささがきにし、ふきは小さく切ります。
- 6 干ししいたけ、油揚げは1.5cmの千切りにし、にんじんは小さめのいちょう切りにします。さやいんげんは塩ゆでして、斜めに切ります。
- 7 鍋に油を熱し、とり肉を炒め、【A】を加えて炒めます。次に【B】を加え、さっと煮て、ざるに上げて煮汁と具を分けます。
- 8 もち米と麦をざるに上げ、水気を切ります。これに煮た具とにんじん、栗を混ぜ、蒸し器で蒸します。上のほうまで蒸気が上がったら30分程度蒸し、煮汁を打ち水の代わりに打ち、さらに15分程度蒸します。
- 9 仕上げに器に盛り、さやいんげんを散らして完成です。
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